開催概要
【満員御礼にて終了いたしました。】
当日のTwitterのタイムラインをまとめたものはこちら
- 日時
- 2010年2月13日(土)
13:00~17:00(12:50開場)
(17:10頃~19:00で懇親会を開催します。) - 場所、設備
- 三鷹産業プラザ 705(桜)会議室
プロジェクター、ネットワーク環境有り。
当日はライブでtwitterに呟やけます。 - 定員
- 最大50名
- 費用
- 会場代協力費として:お一人様300円(カンパ歓迎) (1/24費用を変更致しました。)
懇親会参加費:お一人様2,000円
2月22日追記 会計収支についてのご報告
趣旨
『何かを変えるためには既存のモデルを時代遅れにする新しいモデルを打ち立てよ。』
リチャード・バックミンスター・フラー
『今日の物事の働きが気に入らなければ、システムを変えろ』
スティーブン・ジョンソン
私たちの未来は、社会システムは、そしてお金というシステムは、果たしてどう変化させて行くべきなのでしょうか?そして私たち個人レベルで現在のシステムを変える手段はないのでしょうか?
この勉強会では、そのような疑問を解決する一つの鍵として、『通貨』を巡る新たな取り組みを行う人々にお越しいただき、その提案や試みについて語ってもらい、理解を深め、自由なディスカッションをしたいと考えています。
特別プレゼンテーター(講演順)
1,Happy Projectより、発起人さかまた、及びプログラマーcurrencybuilding
我々Happy Projectの提案する贈与通貨システム『Happy』の概要説明と、 その未来像について語らせて頂きます。
2,慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 政策・メディア研究科講師 斉藤 賢爾さん
従来のお金の概念を覆すようなユニークな提案通貨概念『ワットシステム/i-WAT』を提唱されている一方で、その仕組や未来の世界像を寓話にした小説『不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話』の著者でもある斉藤賢爾さんをお招きし、ワットシステムの概要と、COP15への参加を通して感じた現在の世界経済の問題点、そしてワットがどのようにその問題の解決に寄与しうるかのアイデアについてお話していただきます。
3,マイクロファイナンスサイト「Kiva Japan」 開発担当 山下豊一郎さん
Kivaは、世界中の人々から一口25ドルという少額資金を集め、それを発展途上国の個人事業家に対し融資する仕組みを提供しているサイトです。
これは2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が実現したマイクロファイナンスに参加できる裾野を、個人まで広げることができた活動と言ってもよいでしょう。
今回はそのKivaを日本で展開するために、開発/運営をされている山下豊一郎さんをお招きし、『今僕らにできる社会貢献』について語って頂きます。
また、第二部ではライトニングトークを開催し、通貨や未来をテーマにした様々なレポートや考察等のトークを来場者の方に繰り広げて頂きます。 (ライトニングトーク参加者も募集しております。お気軽にお問い合わせください。)
さらに当日はバレンタインデーにちなんだ、ちょっとしたゲームを行います。
これは我々Happy Projectのプレゼンを兼ねたもので、参加者全員が参加型で新しい通貨概念を実際に体験してもらいながら、その仕組や効果を理解してもらうものです。
題して『カシ化される贈与通貨の試み』です。
お金の問題点、新たな通貨システム、未来の世界、等に興味のある方、是非お誘いあわせの上ご参加いただければ幸いです。
勉強会開催の背景について
今のお金の仕組や社会の仕組みってちょっと変だと思いませんか?
今の社会の枠組みやルール、果てはお金の仕組そのものが原因で、世の中に様々な問題を巻き起こしているのではないでしょうか?
昨年私たちは『エンデの遺言』にちなんだ、お金にまつわる勉強会を開催しました。
増え続ける世界規模の利子や金融資産は、既に物の取引を円滑にする為に生れた便利な道具である「お金」という枠組みを超え、全体の約8割がお金でお金を買うという異常な事態に突入している状態を学びました。
そして、地球規模で見れば資源は有限なのに、お金ばかりが増え続けているという異常な事態から、如何に脱却すればよいのだろうか?という問いを元に、通貨にまつわる様々な事に付いて語り合いました。
お金の歴史、地域通貨、通貨の生成と崩壊、ゲゼルの減価する通貨、ベーシックインカム、贈与経済、ネット通貨の可能性、等
あれから一年が過ぎましたが、この事態の解決の糸口を我々はまだ見つけられていません。
サブプライムローンに端を発したリーマンショック、格差問題、雇用問題、過労死、増加する自殺者数、年金問題、デフレ政策、ささやかれる国家の財政破たん、等。
お金を中心にした様々な社会問題は悪化の一途を辿っているようです。
また、世界に目を向ければ日本よりも激しい生きるか死ぬかの格差問題、飢餓、紛争、エネルギー問題、食糧問題、温暖化や環境破壊の問題等、20世紀のツケが回ってきたようなシビアな問題が山積しています。
さらにネットワーク社会に目を向ければ、インターネットやコンピューターネットワークが物凄い勢いで進化し、個人レベルでの国境を超えた情報共有が可能になり、その気になればほとんど無料で世界をあっと言わせるようなシステム開発すら出来る時代が到来しています。
その一方で、既存の一国の著作権問題では解決できそうもない新たな問題が発生しています。ネット上にはコピー可能なコンテンツが氾濫し、ニコニコ動画の様に、誰もが既存の情報をアレンジして新しい創作物を制作出来る一方で、骨身を削って創作をしている制作者達には利益が還元されない状況があります。
クリス・アンダーソン著 『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』の『非貨幣経済』という章では、従来のお金とモノの取引ではなく、お互いに与えあう『贈与経済』という事について触れています。インターネットの様な情報世界では、実は既にそのような新しい経済圏が既に出現しているという見方も出来ます。 これは一見、ただ乗りの人(フリーライダー)ばかりが得をするようなイメージがありますが、私たちはここに21世紀の経済や社会のシステムが大きく変化するヒントがあるのではないかと、常々考え行動をしています。
『何かを変えるためには既存のモデルを時代遅れにする新しいモデルを打ち立てよ。』
冒頭で述べたこの言葉は、人類の生存を持続可能なものとするための方法を探りつづけた
リチャード・バックミンスター・フラーの言葉です。
また『今日の物事の働きが気に入らなければ、システムを変えろ』は、
スティーブン・ジョンソンの著書『創発―蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク』よりのものです。
(ジョンソン氏の言葉はもしかしたらフラー氏の言葉の引用なのかもしれません)
『創発』というのは、同じ要素や性質を持った物質や生き物が、夥しい数で集まった場合、全体として一つの意思をもったような振る舞いをする現象のことです。
単細胞生物の粘菌が集団で迷路を解くのも、アリが組織化した群れを作るのも、脳細胞のネットワークが意識を造るのも、人間の社会があたかも一つの生き物のようにふるまうのも、おおざっぱに言えば同じ創発現象です。
そして、この社会も私たち一人一人の心や価値観が変わる事で、全体としての最適化を起こせる創発現象を巻き起こせるのではないでしょうか。
是非この機会に既存の方法論に捕らわれない 新たな試みを提案する人々の話を聞きに来てくだされば幸いです。